求人の際に明示する労働条件の追加について
桜の開花予想を耳にするような季節になりましたね。
今年は気温の高い日、低い日がかなり極端にやってきますので、
桜もいつ花を咲かせるべきか難しく感じているかもしれませんね。
さて、来月1日より新年度ということで
以前、労働条件明示のルール変更が行われることについてお知らせしておりましたが
職業安定法施行規則の改正により、同日以降、求人申し込みを行う場合、
求人票に明示する労働条件が3点新たに追加されます。
今回はこのお話についてです。
追加される条件について早速見ていきましょう。
1.従事すべき業務の内容の変更の範囲
将来の配置転換など、
雇い入れ直後の業務と異なる業務に配置される見込みがある場合には、変更後の業務を明示し、
採用後、業務内容を変更する予定がない場合は、変更がない旨を明示します。
2.就業場所の変更の範囲
採用後、雇い入れ直後の就業場所と異なる就業場所に配置される見込みがある場合は、
転勤の可能性を「あり」としたうえで、転勤範囲を明示します。
1、2に共通する注意事項
① 変更の範囲とは?
雇い入れ直後だけでなく、将来の配置転換など今後の見込みも含めた
「締結する労働契約期間中での」変更の範囲のことをいいます。
②「今後の見込み」とは?
労働者の募集等を行う時点で想定され得る事業の方針変更等を踏まえたもので足り、
募集等の時点で具体的に想定されていないものを含める必要はありません。
③ 有期労働契約の場合については?
その労働契約期間中における変更の範囲をさすもので、
更新後の契約期間中に命じる可能性がある就業場所及び業務の変更については含まれません。
④ 就業場所・業務に限定がない場合は?
「会社の定める〇〇」と記載するほか、変更の範囲を一覧表として別途求職者に手渡すことも考えられますが、
後に求職者とのトラブルにならないためにも、できる限り就業場所・業務の範囲を明確にすることが望ましいです。
3.有期労働契約を更新する場合の基準
更新する場合の基準は「諸般の事情を総合的に考慮した上で判断する」というような抽象的なものではなく
「勤務成績、態度、能力により判断する」や「会社の経営状況も踏まえて判断する」など
具体的に記載することが望ましいとされています。
それに加え、通算契約期間、更新回数の上限についても明示する必要があります。
なお、通算契約機期間や更新回数について、特段上限を設けていない場合は明示の必要はありません。
明示するタイミングについて
ハローワーク等への求人の申込や自社ホームページでの募集、求人広告の掲載を行う場合は、
求人表や募集要項において、少なくとも前述のような労働条件を明示しなければなりません。
とはいえ、求人広告のスペースが足りない等、やむをえない場合もあろうかと思います。
そのような場合には「詳細は面談時にお伝えします」などと記した上で、
労働条件の一部を別途のタイミングで明示することも可能とされています。
ただし、この場合も原則、面接などで求職者と最初に接触する時点までに、
全ての労働条件を明示する必要がありますので注意が必要です。
さいごに
会社のご担当者様の中には、採用した後に
「このような業務をするとは聞いていなかった」「転勤の範囲がここまでとは知らなった」等と
トラブルになったことがある方もいらっしゃるかと思います。
今回、上記のような明示条件が追加になった理由には
そのようなトラブルを未然に防ぎ、双方に有益な採用活動となるようにしよう、という意図があると思います。
今回の明示条件が追加された背景を踏まえて採用活動をすることで
採用時のミスマッチを防ぎ、戦力として活躍し続けてもらえるようにしていきたいですね。
(参考HP)
厚労省
令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます
リーフレット 求人企業の皆様へ
令和5年 改正職業安定法施行規則 Q&A(労働条件明示等)【令和5年12月時点版】
ハローワークインターネットサービス
求人票に明示する労働条件が新たに3点追加されるのでご留意ください