労働者死傷病報告の電子申請が義務化されました
2025年がスタートしましたね。
新しい一年が皆様にとって幸多き年となりますよう祈念しております。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
今回は2025年1月1日から義務化された労働者死傷病報告について確認してまいりたいと思います。
1.労働者死傷病報告の提出について
労働者死傷病報告とは?
労働者が労働災害等により死亡したり、休業したりした際に、
所轄の労働基準監督署へ提出しなければならない報告のことです。(労働安全衛生規則第97条)
何を目的に提出するの?
提出された労働者死傷病報告は、労働災害の原因の分析、同じような労働災害の再発防止対策の検討、労働災害統計の作成などに活用されています。
報告が必要になるケースはどんなとき?
① 労働者が業務中に起きた災害によって死亡した場合
② 労働災害が原因で労働者が休業し、その休業期間が4日以上に及ぶ場合
③ 労働災害が原因で労働者が休業し、休業期間が4日未満の場合
①、②については発生後遅滞なく提出が必要ですが、
③については下記の期間ごとに発生した労働災害を取りまとめて報告しなければなりません。
1~3月発生分 :4月末日までに報告
4~6月発生分 :7月末日までに報告
7~9月発生分 :10月末日までに報告
10~12月発生分:1月末日までに報告
提出方法について
これまでは、所轄の労働基準監督署へ所定の様式を郵送したり、持参したりという方法でも提出できていましたが、
2025年1月1日より電子申請での提出が義務化されました。
パソコン端末を所持していない等の事情により電子申請が困難な場合は、
当分の間、書面による報告が可能となっております。
書面による提出をお考えの場合は、1月より様式が変更されておりますので、
昨年までの様式は使用せず、最新様式を用いるようにご注意ください。
※新しい様式はこちら→労働者死傷病報告(死亡及び休業4日以上)、労働者死傷病報告(休業4日未満)
2.報告事項の改正について
今回の電子申請義務化にあたり、災害発生状況をより的確に把握することを目的として報告事項の改正も行われております。
改正点は、大きく2つ。
1つ目は、これまで自由記載であった部分を該当するコードから選択できるようになりました。
例)事業の種類、被災者の職種、傷病名・傷病部位、国籍・地域・在留資格
2つ目は、災害発生状況・原因について記述する部分は、記載欄が5つに分けられ
①どのような場所で
②どのような作業をしているときに
③どのような物又は環境に
④どのような不安全な又は有害な状態があって
⑤どのような災害が発生したか
というそれぞれの欄に記入することとなりました。
各欄の指示に従って順番に記入していくことで、必要情報の記載漏れが起きにくくなりそうです。

3.その他の電子申請義務化書類について
2025年1月1日より電子申請が義務化された手続きは労働者死傷病報告の他にも以下のようなものがあります。
◼ 労働者死傷病報告
◼ 総括安全衛生管理者/安全管理者/衛生管理者/産業医の選任報告
◼ 定期健康診断結果報告
◼ 心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告
◼ 有害な業務に係る歯科健康診断結果報告
◼ 有機溶剤等健康診断結果報告
◼ じん肺健康管理実施状況報告
定期的に行う報告が多いと思いますので、報告時期になる前にご自身の会社での対応について再度確認しておきましょう。
4.まとめ
今回は、労働者死傷病報告が電子申請で提出を義務化されたことについてご紹介しました。
電子申請を利用すると、労働基準監督署へ出向くことなく手続きを完了させることができます。
義務化されていない手続きについても電子申請で提出できる手続きや届出が増えてきておりますので、
今回の義務化を電子申請利用ご検討のきっかけにしていただければと思います。
なお、当事務所では電子申請によるスピーディーな手続きを実施しております。
ご依頼やご相談は随時受け付けておりますので、お問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。
(参考)
●厚生労働省
労働災害が発生したとき
労働者死傷病報告の提出の仕方を教えてください。※こちらのリンク先の様式は旧式のものになっておりますのでご注意ください。
労働安全衛生関係の一部の手続の電子申請が義務化されます リーフレット
労働者死傷病報告の報告事項が改正され、電子申請が義務化されます(令和7年1月1日施行)
労働者死傷病報告の報告事項が改正され、電子申請が義務化されます(令和7年1月1日施行) リーフレット