令和8年度の最低賃金引き上げ目安が発表されました
最低賃金の引上げ目安
今年も、最低賃金の引上げ目安についてお知らせする時期がやってまいりました。
7月28日、中央最低賃金審議会にて、令和8年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられました。
毎年、都道府県ごとの経済状況を踏まえてA~Cのランク別に目安額が示されるのですが、今年はAランク54円、Bランク56円、Cランク56円という結果になりました。
昨年(A63円・B63円・C64円)と比べると引上げ幅はやや落ち着いたものの、依然として高い水準の改定であることに変わりはありません。

この答申を受けて、各地方最低賃金審議会で地域の実情を踏まえた審議・答申が行われ、最終的には各都道府県労働局長が最低賃金額を決定する、という流れになります。
首都圏の答申状況(8月12日時点)
さっそく気になる首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)の状況を見てみましょう。
すでに一都三県すべてで、以下のとおり答申が出そろっています。
・東京都 :+54円 → 1,280円(発効予定日:10月1日)
・神奈川県:+54円 → 1,279円(発効予定日:10月1日)
・埼玉県 :+55円 → 1,196円(発効予定日:10月1日)
・千葉県 :+55円 → 1,195円(発効予定日:10月1日)
埼玉県・千葉県は、目安(54円)を1円上回る引上げとなりました。
今年は一都三県すべての発効予定日が10月1日でそろっています。
これはあくまで「答申」段階の数字です。
今後、異議申出などの手続きを経て正式に決定されますので、正式決定までは引き続き確認しておきましょう。
引上げ幅は少し落ち着くも、依然として大きな改定に
目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合、全国の加重平均は1,176円(引上げ率4.9%)となる見込みです。
昨年度(引上げ率6.3%)と比べると引上げ率はやや低下し、全国加重平均の引上げ率が前年を下回るのは実に6年ぶりとなりました。
とはいえ、水準としては引き続き高い改定であり、企業側の負担感が大きく和らぐとは言い難いでしょう。
企業への影響と、準備のポイント
物価上昇や人手不足が続く中、今回の引上げも中小企業にとっては大きな負担になる可能性があります。
しかし、賃金の引上げに活用できる助成金や支援策が用意されている場合もあります。
今後の賃金改定を検討する際には、こうした制度についても情報収集を行っておくとよいでしょう。
また、以下の点は早めの確認がおすすめです。
・新しい最低賃金を下回ってしまう従業員の方がいないか
・賃上げによって、扶養や社会保険の加入要件に新たに該当する方がいないか
・最低賃金の引上げによって、他の従業員との賃金バランスに問題が生じないか
最低賃金の引上げに伴い、給与規程や求人票の見直しが必要になるケースもあります。
10月以降の改定に備えて、今から現在の賃金水準を確認し、準備を進めてまいりましょう。
まとめ
最低賃金は、ここ数年大きな引上げが続いています。
今回の改定によって、これまで最低賃金を意識する必要がなかった企業でも、今後は毎年の最低賃金改定を前提として、賃金を見直していく必要が出てくるかもしれません。
最低賃金の引上げは、単純に「時給を○円上げればよい」という問題ではありません。
現在の給与体系や従業員間の賃金バランス、求人条件なども含めて、自社の賃金制度全体を確認するよい機会です。
「自社の給与は最低賃金を下回っていないか」「給与をどのように見直せばよいか」など、ご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。
参考資料(公式サイト)
・厚生労働省
令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について
・東京労働局
東京都最低賃金の54円引上げを答申
・神奈川労働局
神奈川県最低賃金額54円の引上げへ
・埼玉労働局
埼玉県最低賃金の改正を答申
・千葉労働局
千葉県最低賃金の55円の引上げを答申

