健康診断、行っていますか?

今年は既に関東地方でも「梅雨のはしり」といわれるぐずついた天気が続いていますね。
5月といえば五月晴れ、さわやかな陽気を期待していたところにこの気候…
なんだか少し体が重たく感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
4月から始まった新しい環境への疲れも出てくる頃ですが、
こんなときだからこそ、体も心も万全の状態で前向きに仕事に取り組みたいですよね。

そんな健康状態のバロメーターになるのが健康診断の結果。
皆さんは必ず年に1度、健康診断を受診して、結果を確認されていますか?
会社の方はきちんと健康診断を行っていますか?

労働安全衛生法第66条では
事業者は労働者に対して医師による健康診断を実施しなければならない、
また、労働者は事業者が行う健康診断を受けなければならない、とされています。
 (※事業者の義務として実施、ということは健康診断の費用は事業者負担ということですね。)

ここでの健康診断にはいくつか種類があり、分類すると以下の通りとなります。

このうち今回は、一般項目と呼ばれる、血圧の測定や胸部X線検査等について行う「一般健康診断」を
詳しくみていきたいと思います。

一般健康診断とは?
以下の表をご覧ください。雇入れ時健診、定期健診の2つが皆さんよく目にするところでしょうか。
各健康診断ともに、決められた対象者に決められた時期に行うことが重要です。

※「特定業務従事者」とは坑内労働や深夜業などの有害業務に従事する方を指します。


注意すべきポイント1 :「常時使用する労働者」とはどのような労働者?
「常時使用する労働者」とは次の①、②を満たす労働者をいいます。
 ① 期間の定めのない契約により使用される者であること
   期間の定めのある契約により使用される者の場合は以下のいずれかの者であること
   ・1年以上使用される予定の者
   ・契約更新により1年以上引き続き使用されている者
   ・6カ月以上特定の業務に従事する予定の者
 ② その者の1週間の労働時間数が通常の労働者の4分の3以上である者


なお、①に該当し、1週間の労働時間数が通常の労働者のおおむね2分の1以上である者にも
一般健康診断を実施することが望ましいとされています(努力義務)。

注意すべきポイント2:雇入れ時の健康診断については省略が可能な場合があります
医師による健診を受けた後、3カ月以内の者を雇い入れる場合、
その健診結果を提出した労働者については健康診断の省略が可能です。
(項目に不足がある場合は追加で受けさせなければなりません)

注意すべきポイント3:健康診断は実施すればそれで終了ではありません
 事業者は健康診断の実施後、以下のような対応をする必要があります。
・健康診断結果を労働者に通知
・健康診断個人票を作成し、それぞれの健康診断によって定められた期間(作成日から5年)保存
・健康診断の項目に「異常の所見」があると診断された労働者については、
 医師等の意見を聴き、必要に応じ、就業場所の変更や作業の転換等、適切な措置を講じる
・「特に健康の保持に努める必要がある」と認める労働者には「保健指導」を行うよう努める

・常時50人以上の労働者を使用する事業者は、労働基準監督署へ定期健康診断結果報告書を提出

なんだかやることが多くて大変だな…とお思いになりましたか?
それでも、健康診断は事業者の義務です。
実は、従業員の方が病気を患っており、健康で安全に業務ができない状態で働いているとしたら?
業務中に急に倒れてしまって、思わぬ事故が発生してしまったら??
…そうなる前の健康診断です。
会社が健全に機能できるのは、元気に頑張ってくれる従業員がいてこそです。
毎年の健康診断、欠かさずに行ってくださいね。

なお、健康診断には上の図にあるように「特殊健康診断」といって、
一定の有害業務(放射線業務や有機溶剤製造取扱い等業務など)に常時従事する労働者に対し、
雇入れや配置替えの際、またその後一定期間以内(通常は6カ月以内)ごとに行う健康診断もあります。
詳細についてはお問い合わせください。


(ご参考)厚労省HP「健康診断を実施しましょう」
          「労働安全衛生法に基づく健康診断実施後の措置について」