改正育児・介護休業法が成立

6月3日、衆院本会議で改正育児・介護休業法が可決、成立しました。
男性が子供の誕生直後に育児休業をとりやすくする「男性版産休」と言われる制度の新設が目玉となっていますが、
具体的にどのような内容なのでしょうか。具体的に見てまいりましょう。

1.男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設

① 男性は子の誕生後8週間まで、最大4週間の育児休業を取れるようにする(分割して2回取得可能)
 現在、育児休業を取得している男性の約半数が産後8週間の間にこの休業を取得しているようです。
 このことから、ニーズの高い子の誕生後8週間に育休の取得を促そうという改正です。
 「男性版産休」と言われるのはこの部分についてですね。

② 労使協定を締結している場合、労使の個別合意があれば事前に調整した上で育休中もスポットで就労できる
 男性が育休を取得するのに二の足を踏む理由として「業務の都合」があげられています。
 この理由の解消のために、労働者の意に反しないことを前提としてスポットでの就業を可能としました。

③ 育休を取得する際の休業の申し出が1カ月前までから「2週間前まで」に短縮
 これまで、育休を取得するには休業の1カ月前までに申し出ることが必要でしたが、
 出産が早まった場合などに産後直後に休業が取得できないなどの不都合がありました。
 このようなケースにも柔軟に対応が可能になるよう、休業の申出は2週間前までに短縮となりました。

2.育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び
  妊娠・出産の申出をした労働者への個別の周知・意向確認の措置の義務付け

① 育児休業の申出・取得を円滑にするための雇用環境の整備に関する措置
 具体的には、、
 研修、相談窓口設置、制度や取得事例の情報提供等の複数の選択肢からいずれかを選択することとするとされています。

② 会社に労働者(又は配偶者)が妊娠又は出産した旨の申出をした際、制度の周知とその取得意向の確認を義務付け
 育休等については、個別の働きかけ等の取組がある場合は
 そうでない場合に比べて取得した割合が高くなる一方、
 男性では6割以上が企業からの働きかけがなかったと回答している調査結果もあることから、
 会社から「こういう制度がありますが、取得しますか?」と働きかけることで
 育休を取得しやすい環境の整備を進めていこうという改正です。

その他にも、
・ 育児休業の取得の状況の公表の義務付け(常時雇用する労働者数が1,000人超の事業主に対して)
・ 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和
なども盛り込まれております。

いかがでしたでしょうか。

出生直後という重要な時期の休業取得の促進で、
育児の大変さ・喜びを実感し、その後の育児につなげていきたい・・・という考えは非常に頷けるものではありますが
やっと「仕組み」ができてきたといった感もぬぐえません。
この新しい仕組みを多くの方が利用して、
少しでも男女ともに仕事にも育児にも前向きに取り組める社会にしていきたいですね。

(参考:厚労省第34回労働政策審議会雇用環境・均等分科会 資料

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